皆様こんばんは
バーダークナイト店主寺澤です
今回のブログは、先日、ガイアフロー静岡蒸留所を訪問した際のことをお話しいていきたいと思います
2016年に設立した「ガイアフロー静岡蒸留所」は、
静岡駅から北にタクシーで45分、又はバスで1時間ほど行った玉川地区にあります
ちなみにこの蒸留所のオーナーは、BLACKADDER / ブラックアダーで有名な「ガイアフロー」がオーナーです
大自然に囲まれた素敵な場所にある蒸留所で、蒸留所のすぐ側に安倍川が流れています
よく鮎釣りがされているそうです
この蒸留所には、メルシャンが所有していた軽井沢蒸留所(2012年に完全閉鎖)の設備が稼働しています
上の写真は静岡蒸留所の2基有るウォッシュスチル(初溜釜)の一つ
これは2015年にオークションで落札した4基の軽井沢蒸留器を組み合わせてつくった静岡蒸留所独自の蒸留器です
麦芽粉砕機(モルトミル)も軽井沢蒸留所で使用していたものです
こちらはオーバーホールして蘇った年代物のポーティアス社製
今も元気に活躍しています
ポーティアス社は丈夫過ぎて全然壊れないため、発注が無くなり、最終的につぶれてしまったという伝説があります
静岡蒸留所のサイロ(麦芽保管庫)
サイトグラスから中が見えるようになっています
麦芽は2020年まではスコットランド産のものだけを使用していましたが、2021年から国産の大麦麦芽も使用するそうです
サイロからモルトミルに麦芽を送り、麦芽を粉砕します
麦芽粉砕率は、ハスク30%、グリッツ60%、フラワー10%
秩父蒸留所と同じ割合です
静岡蒸留所のマッシュタン(糖化槽)です
粉砕した麦芽に温水を加え麦汁をつくります
麦汁を発酵させるウォッシュバック(発酵槽)です
こちらではオレゴンパイン製のウォッシュバック4基と静岡産の杉製のウォッシュバック4基の計8基を使用しています
木材を使用することで良質な乳酸菌が沢山住み着くそうです
又、木材によってもその量が変わりウイスキーの仕上がりが変わるそうです
面白いですね
発酵の途中から乳酸菌が活躍し、酸味の有る香りに変化していきます
酸っぱい香りがした方が風味豊かなウイスキーに仕上がるそうです
こちらでは木材の癒される香り、乳酸菌によるヨーグルトの様な酸味の有る香り、リンゴ系のフルーティーな香りがしました
蒸留所全体が杉や檜で出来ていて、とても良い香りがします
スコットランドのフォーサイス社製のウォッシュスティル(初溜釜)(左)とスピリッツスティル(再溜釜)(右)です
フォーサイス社製のスティルは世界初の薪による直火蒸留を行っています
薪は蒸留所の近くで取れた薪を使用しています
蒸留所の裏手で一生懸命薪を割っていましたし、使う直前にも適度な大きさに割っていました
直火蒸留によりスモーキーな風味がウイスキーにつきます
人の手でやる直火蒸留は伝統的な蒸留方法でしたが、大変な手間がかかるので、今では他の蒸留所ではほとんど採用していません
日本だと余市蒸留所が石炭による直火蒸留をしています
職人魂ですね
まだ稼働はしていませんでしたが、単式蒸留器と連続式蒸留器が組み合わさったハイブリット蒸留器もありました
こちらは近い将来ジンをつくるのに使用するそうです
楽しみですねぇ
樽に詰めたウイスキーを熟成させる熟成庫です
壁側に窓が多く設置されているのが見えるかと思いますが、天井にも多くついています
熟成庫内の寒暖差を大きくすることで、ウイスキーの熟成を早める手法です
世界を見渡しても、天井に窓が多く付いている熟成庫はほとんど無いそうです
熟成庫は二つあり、第一熟成庫にはシェリーバット、シェリーホグスヘッド、ワイン樽のウイスキーが熟成されていて、
今回見学した第二熟成庫にはバーボンバレルのウイスキーとオクタブと呼ばれる容量60Lの小さなバーボン樽のウイスキーが熟成されていました
上の写真は180Lサイズのバーボンバレルです
こちらがオクタブです
バーボンバレルと較べると、とても小さく見えます
熟成に使用する樽は小さいものほど熟成が早く進み、
短期間の熟成で商品化出来ます
見学の最後に静岡蒸留所のウイスキー6種をテイスティングしました
スチームによる間接蒸留式の軽井沢蒸留器で蒸留したニューポット、2年9ヶ月熟成のアンピーテッド、ピーテッドと
薪直火蒸留式のフォーサイス蒸留器で蒸留したニューポット、2年9ヶ月熟成のアンピーテッド、ピーテッドです
蒸留器の違いによる個性がしっかり出ていましたし、短期の熟成でも風味が豊かで、これからが非常に楽しみな出来でした
この秋、初商品がリリースされるそうなのでとても楽しみです
発売されたら間違いなくお店の棚に並べますね
立川駅南口 BAR DARK KNIGHT
(焼肉哲のビルの三階)