こんばんは!バーテンダー里見です。

9/7(金曜日)に秋葉原にて開催されたウイスキーイベント【モダンモルトウイスキーマーケット2019】に参加させて頂きました。

本日はそのイベントのご報告、紹介をさせて頂きたいと思います。

【モダンモルトウイスキーマーケット】は三洋物産株式会社が開催するモルトウイスキーに限定したイベントです。

今年で14年目を迎えるこのイベントですが、有名どころから新規蒸留所までを集めた試飲ブースや、蒸留所の方によるセミナー、希少モルトの販売を行っております。

 

今年はアキバ・スクエアにて開催されました

12時開場だったのですが、12時の時点で長蛇の列により入れず・・・

まずは別会場にて行われる【山崎蒸留所】のセミナーを受講しました。

昨年まではメイン会場にてセミナーを実施していたそうですが、出店ブースの増加により今年からは別会場で実施しているとのことです。

主な内容は山崎蒸留所の地域との関わりと、蒸留所開設から現在までの施設設備の変遷でした。

寿屋(現サントリーホールディングス)の創始者である鳥井信治郎氏は特定の信仰は持たなかったそうですが、神仏への信仰を大事にしサントリーグループの各事業所に神棚や鳥居などを設置し、その行事を執り行うため「神仏課」という部署まで作ってしまったほどだそうです。(現在では神仏課は廃止されているそうです)

また山崎蒸留所の奥には椎尾神社という神社があり(同敷地内ではありません)、山崎蒸留所が稼働し初めてウイスキーを抽出した日時が11月11日11時11分であったため、毎年同時刻にサントリーの社員の方々とお客様で参拝する行事が行われるそうです。

また、一般立ち入り禁止ではありますが蒸留所敷地内にも豊国神社という神社も存在するそうで、こちらの神社は大阪出身である鳥井信治郎氏が尊敬する豊臣秀吉を祀った神社で鳥井信治郎氏が分霊していただき敷地内に建立したそうです。

山崎について勉強したところで最後にテイスティングが行われました。

山崎を構成するリフィルシェリーカスク、スパニッシュオーク、そしてシークレットの3種。

シークレットの中身は2013年に終売した「山崎10年」でした。

貴重な原酒を堪能させて頂きました。

 

続いて1995年に蒸留所を開設した【アラン蒸留所】によるセミナー

アラン蒸留所はスコットランドのアラン島に建てられた蒸留所で、アラン島でウイスキーが造られたのは約150年振りのことでした。

1836年には50以上の違法蒸留所が存在していたそうですが、国の監査によりそのすべてが無くなってしまったそうです。

アラン島は自動車であれば2時間ほどで1周出来るほど小さな島で、島中央には山がありその麓にアラン蒸留所は存在します。

アラン蒸留所は非常にコンパクトな蒸留所で、セミコンピューティングシステムを取り入れることで1人でも管理が可能な体制で運営が行われています。

アランのボトルには「イーグル」が描かれていますが、それは蒸留所の建設時に起こった「ある出来事」からシンボルとして扱われることとなったそうです。

その出来事とは建設途中の蒸留所内にイーグルが巣を作ったことが原因でした。

アラン島では自然と共存し動物を大事にする習慣があるそうで、創業者である【ハロルド・カリー】氏もその土地の習慣に倣いイーグルが巣立つまでの2ヵ月間工事を中断したそうです。

ノンピートタイプのウイスキーを主に作り続けるアラン蒸留所ですが、ピートタイプのウイスキーを作るために、現在第2蒸留所である【ラッグ蒸留所】が稼働を始めております。

ラッグ蒸留所ではウイスキーの樽売りも実施しており、10年間蒸留所で管理しお客様にお届けすることもしているようです。

わたしもニューメイクのウイスキーを試飲させて頂きましたが、非常に良い出来でこれからリリースされるであろうウイスキーに期待が高まりました。

こちらも最後にテイスティングを実施しました。

こちらは9月にリリースされる【アラン・コートロティカスク】と【アラン・マスター・オブ・ディスティリング】の2種。

 

最後のセミナーまで時間が空いたためメイン会場をぶらりと歩いてみました。

 

会場は常に大盛況で人を避けて歩くのが困難なほどでした。

無料試飲の他にも有料試飲や希少モルトなどの抽選販売や先着販売もありました。

最後に【グレンモーレンジ】のセミナーの様子

「完璧すぎる」ウイスキーと銘打たれたセミナーです。

講師として来ていただいたボブ(ロバート・ストックウェル)さんは日本語がペラペラで通訳の方は居ないのはもちろん、冗談を交えながらのセミナーでした。

ウイスキーエキスパートをお持ちのボブさんからはテイスティングに必要なことというテーマ。

テイスティングは味、香りとかっこよくテイスティングすることが大事とのこと。

グラスの持ち方から教わりグレンモーレンジの香りや味わいの特徴を説明いただき、あっという間に時間終了。

楽しく受講させていただいたせいか、時間が短く感じました。

伝える力って大事だなと感じるセミナーでした。

 

そして6時間にわたるモダンモルトウイスキーマーケットも18時で終了しました。

新しい蒸留所のウイスキーや日本の新規蒸留所はもちろん、古くからある蒸留所のウイスキーもすべてが勉強になるイベントでした。

古いボトルのウイスキーも美味しいですが、研究を重ね造られるモダンなウイスキーも非常に面白いので是非、皆さまにお楽しみ頂けたらと思います

 

立川駅南口 BAR DARK KNIGHT バーテンダー里見